がぶちゃんの日記

札幌からフルリモートCTO

とあるスタートアップのフルリモート開発組織3年間のふりかえり

現職の株式会社モニクルの前身である株式会社OneMile Partnersに入社したのが2019年11月なので、あと数ヶ月で3年になります。はや!

ちなみに、私が1人目エンジニアとして入社してからのエンジニア組織の変遷はこんな感じです。

エンジニア組織の変遷

今日は自分の約3年間をふりかえりつつ、スタートアップである私たちがフルリモートでもエンジニア組織をじわじわ拡大しつつ、しっかりと開発を行えているポイントになってそうなことを書き出してみました。

ちなみに、弊社は地理的にも分散したフルリモート企業でして、今の地域構成はこんな感じになっております。全て正社員です。

ポイント1:経営メンバーがフルリモート経験豊富だった

入社した2019年11月はいわゆるコロナ前(中国の武漢で見つかったのが2019年12月)だったのですが、入社時の従業員が

  • 共同創業者2名
  • COO
  • CTO(私)
  • 営業3名

という構成で、他にエンジニアもいないし、事前に事業内容も聞いていて、何からシステム化していくべきかという算段も付いていたので「家でモクモクと開発しますね〜」という感じで初日だけ挨拶にいって、2日目からフルリモート開発生活がスタートしました。

ちなみに、

  • 共同創業者2名はさらに前身の会社を経営していて、その会社もフルリモートだったらしく、2019年時点で6年間のフルリモート経験があった
  • COOと私は過去に二人三脚でシステムを開発・運用した経験があり、それも3年間フルリモートだった

という、そもそもフルリモート経験者の集いみたいなチームでスタートできたのが幸運でした。

ポイント2:エンジニアのリファラル採用をがんばった

フルリモートで開発する場合、出勤する場合に比べコミュニケーションの量が激減するので「自走できるエンジニア」を採用することを大前提に考えました。「自走できる」の定義は皆さんの中でも様々だと思いますが、自分の定義は「目的や課題を与えられたら解決策を考えて実行できる」つまり「解決策を与えられなくても仕事ができる」と考えています。

さて、採用です。会社を大きくするためには2人目、3人目エンジニアを採用していかなければなりません。自走できるエンジニアを採用するために、普通に採用媒体を使って自走できそうな方を探すのもいいですが、やはり一緒に仕事をしたことがない人をいきなり採用するのは若干不安です。ということでやっぱりリファラル採用ですよね。

さいわい縁があって、過去に一緒に仕事をしたことがある(しかも濃密なスタートアップで共に戦った)元同僚2名が来てくれることになりました。と1行で書いてしまうと簡単だったように思われてしまうかもしれませんが、人には人生があり、転職というのは簡単な決断ではないので、彼らも検討に検討を重ね、理由や考えがあって選んでくれたんだろうなと思います。

ということで、自走できるどころか1人でシステムの頭からおしりまで開発して本番運用もできちゃうレベルのエンジニアと初期の開発チームを作れたことが幸運でした。その後も、4人目、5人目と「自走できるエンジニア」をリファラルで採用できました。

例えば...

blog.nkzn.net

ポイント3:作るべきものを早期に定義できた

スタートアップは不確実性の高い開発プロジェクトの究極系だと思っています。誰も正解がわからない新しい事業領域で正しいものをいきなり考え、確実に当てることは不可能なので、だいたいの場合、正しそうなものを作ることになります。

私たちもスタートアップですが、私が入社したのはちょうど創業から1年経った頃でした。私が入社するまでの1年間はまさにリーンスタートアップを地で行くようなことをされていたようで、創業メンバーが泥臭い価値検証を行いながら手応えを得て、ビジネスドライバーになりそうなプロダクトのイメージが既にできていました。それすらもビジネスドライバーに「なりそうな」ではあるのですが、話を聞くとかなり的を得ていると感じ、それを作ることで成功に近づける気がしました。

個人的にはこの「うまくいく気がする」というのを大切にしていて、自分がこれから作るものを信じられたら後は迷いなく全速力で開発ができると思っています。あとやるべきことは正しい社内の情報と共に「なぜこれを作るべきか」を開発メンバーに共有することです。それが伝わりさえすれば開発はスムーズに進むことが多いように思います。

ポイント4:コミュニケーション・情報共有を丁寧に

昨日、新しい開発メンバーが入社し、オンボーディングをしていたのですが、

昨日入社された方の感想

オンボーディングに限らず、出勤していた頃(現職で出勤したことはないので前職以前)よりもコミュニケーションや情報共有の大切さを再認識し行動が変わったように思います。それは私だけでなく社内全員がそうで、もはやカルチャーになっていると感じます。そして、それらを「丁寧に」行うことが大切だと考えています。「丁寧さ」というのはスキルというよりは性格に起因するものかなと思い、採用時にもこの点をかなり重視していまして、各職種の経験やスキルはもちろんのこと、人柄面の軸として「柔和」そうな方を積極的に採用しています。

【柔和】にゅうわ

やさしく、おだやかなさま。とげとげしい所のない、ものやわらかな態度・様子。

なので、社内には柔和な人が多く今のところ平和が保たれています。

そして何よりも、弊社CEOがその最たる存在でして、コミュニケーション・情報共有を誰よりも重視し、メイン事業であるマネイロのクリエイティブチームと今も毎日オンラインの朝会で直接「事業環境の変化、マーケティング、営業、BizDevの変化、今会社で起きていること、直近の課題、これからやりたいこと、それら全ての意義」を伝えています。毎日毎日ずっとです。

誰よりも柔和な原田さん(弊社CEO)

それがまた簡潔で的を得ている情報がすーっと理解できる言葉や速さで得られるんです。個人的には弊社CEOは情報伝達の魔術師なんじゃないかと思っています。他の部分も全てハイパーな人ではあるんですが。

そしてそんなCEOが誰よりも柔和なんですねぇ。類は友を呼ぶという言葉がありますが、弊社はそれが良い方向に作用している気がしています。

まとめ

ポイントをまとめると

  • 創業メンバーのフルリモート経験と意識
  • フルリモートを前提とした採用
  • 作るべきものが明解なプロダクトマネジメント
  • コミュニケーション・情報共有・丁寧さ

大きい要素はこれらかなーと思うんですが、もちろんトライアンドエラーの連続で、日々の改善・改善・改善の積み重ねで、年単位の時間をかけて今のフルリモートでも上手く仕事ができるカルチャーを構築できたんだと思います。

今後の会社の成長を考えた時に、50人の壁、100人の壁という不安もありつつ、その時に出た新しい課題も今の私たちならきっと新しい解決策を生み出して乗り越えられると信じて、今後もこのカルチャーを維持・向上させながらやっていきたいと思います。

それでは!

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株式会社モニクルでは、はたらく世代・子育て世代がお金の不安を手放せる手助けをするための金融サービス業をより広めるために、ソフトウェアエンジニアを募集しています。

90秒だけお時間をいただいて、↓の動画を見ていただけると、どんなサービスをやっている会社なのかざっくりわかってもらえると思います。

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それでは!