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JTPA シリコンバレー・カンファレンス 2009とGoogle・Apple・IDEO会社訪問に行ってきました。

3月21日のJTPA シリコンバレー・カンファレンス 2009に参加するために、3月16日から10日間カリフォルニアに行ってきました。(その後も怒濤の忙しさで、やっとエントリー書けるよー。)

事の発端は(たぶん)12月ぐらいに、id:yuko1658の家でid:babanbanと3人で居た時に

yuko
「塚田さんシリコンバレー・カンファレンス行く〜?」
gabuchan
「いいよー」

と、二つ返事で渡米が決まった訳です。軽すぎる。まさか結果的に30万近い出費(飛行機代、ホテル代、etc)になるとは、つゆ知らず。

真面目な話も書いておくと、やっぱりエンジニアならシリコンバレーへの漠然とした憧れは持っているし、どんな所か行ってみたい、見てみたいという気持ちもあるし、梅田望夫さんや渡辺千賀さんのブログや本を読んでいると、ますます興味も持つし、まぁそんな漠然とした気持ちで行った訳です。まさか、こんな早くそして軽くシリコンバレーに行く事になるとは。それもこれも二人に出会ったからなんだろうなぁ。

以下、トピックごとに感想を書きます。

気候

サンフランシスコは日本と変わらないぐらい普通に寒かったです。でも、サンノゼシリコンバレー)は噂通り暖かくて天気が良い時は半袖でもOKなぐらいポカポカ陽気で、湿気もないし、とても過ごしやすかったです。1年中ポカポカらしいので寒がりな人にはオススメです。逆に、日本の真夏のうだるような暑い日は1週間ぐらいしかないらしいので暑がりな人にもオススメです。雨もあまり降らないらしいです。風もあまり吹かないらしいです。つまり簡単に言うと気候最高です。これは人が集まるはずだ。

自然

エリアにもよるとは思うんですが、噂通り自然が多いです。郊外は背が高い建物がほとんどないので空がすごく広い。雲一つない快晴な日なんかは、美的センスがこれっぽっちもない僕でも感動してしまうぐらい綺麗でした。あとは芝生文化。勝手に名付けたんですが隙間さえあれば芝生があって、芝生を愛してるんじゃないかと思うぐらい芝生が多かった。

一番圧巻だったのはスタンフォード大学を見に行った時の広い芝生と広くて高い真っ青な空。これはやばかったぁ。



↑yuko

こんな感じで過ごしやすい気候や自然に魅せられてシリコンバレーに行く人も多いんだとか。(もちろんそれ以外の魅力やメリットも考えて渡米するんだとは思うのですが。)

ここからシリコンバレーで働く人に関する話です。

仕事に対する優先順位

シリコンバレーで働く人の仕事に対する優先順位(アメリカ全体にも言えるのかな?)が、スタートアップやリリース前の超多忙な時期を除いての話ですが、

  1. 家族
  2. プライベート活動(ボランティアや地域活動、趣味)
  3. 仕事

だそうです。日本のように「仕事だから。。。」なんて家族をおざなりにするなんてことは有り得ない。仕事が忙しくてプライベートの時間を確保できないなんて悲しい事もないと。仕事のミーティングよりもボランティアで学校の先生をする事が優先される。

日本も少なからず家族やプライベートが優遇される環境を提供する企業もあるかもしれませんが、シリコンバレー(アメリカ全体?)は、文化レベルで共通認識として上記の優先順位を持っているので、そこが一番の違いかなぁと思いました。

仕事の時間量

イメージ的に日本は長時間労働、シリコンバレーの人たちはフレックスで好きな時間に出社して、タスクをこなしていれば好きな時間に帰る。という時間量が全然違うイメージなんですが、これはなぜかという疑問の答えがカンファレンスの中での出席者とパネラーのやりとりであったんですが、

日本は、平均的に賃金が低くて残業代を貰わないと満足出来る収入を得る事ができない。
それに対してシリコンバレーは、平均的に(物価も高いらしいですが)賃金が高くて、てか、そもそも年俸制だから時間量で賃金は変わらない。つまり、残業は意味がない。

なんじゃないかなぁ、と。日本でも年俸制の企業に勤めればいいんですね。残業せずに帰れるかは分かりませんが。。。

シリコンバレーに行く方法

王道パターンが下の二つだそうです。

  1. 大学・大学院から留学。アメリカで修士または博士を取る。そのまま現地で就職。
  2. 日本でシリコンバレーに本社がある外資系企業に就職。シリコンバレーの本社に異動。

カンファレンスでは学生に対して強く留学を勧めていたのが印象的でした。でも、もういまさら大学には行けないよ!既に働いている人は後者ですねぇ。カンファレンスでも国内で転職して2.のパターンでシリコンバレーに行かれた人がパネラーにいらっしゃいました。

Apple訪問




社内は写真NGだったのでこれだけです。

Appleを訪問した時のメモを箇条書きで。文脈が飛び飛びだけど、すみません。

社内の話とか
  • iPodができてから社員が増えている。(いちいち社員数を調べてるわけではないので体感的に)ipodができてから社員は2倍?
  • 社員が増え続けるからスペースがなくて本当に引っ越しが多い。
  • この不景気でも、まだレイオフはない。
  • けど、部門の統廃合やパフォーマンスが悪くて解雇される人はいる。景気とは関係なく。
  • Appleはマーケティング面でよく注目されるがエンジニアの会社。
採用とかインターンとか
  • 社内で新人からだんだんキャリアを積んでいくなんてことはない。
  • 実務経験がない新人は雇わない。即戦力、必要な人材に当てはまるパフォーマンスが良い人を採用する。
  • じゃあ学校を卒業したての実務経験のない新人は、どうやって就職するのか?
  • アメリカはインターンで学生時代から経験を積む。
  • インターン先で認められれば雇ってもらえる、もしくはインターン先じゃない会社で雇ってもらえるパターンも。
  • 1年生からインターンする学生もいる。
  • インターンには製品のコードは触らせないが、実験的な機能の調査やプロトタイプ作成なんかを頼む事が多い。
  • 忙しくて時間が取れない。実験的なことが出来ない。けど、やってみたい機能やアイデアがある。インターンに頼む。
  • その調査結果やプロトタイプの結果を製品や本業へフィードバック
  • これが割と成果がある。
開発プロセスとか
  • チェックポイント(マイルストーン)は大事。
  • OS/ミドル/アプリ、チームによって開発プロセスとかプロジェクト管理とか個性がある。
  • けど、同じなのは毎日ビルド、クイックルック、テスト
  • UT自動テストとテスターによる人力テスト
  • QAというテスト専門の部署がある。
  • BTSフル活用。
  • ベータがいかに早く動くかが大事。
  • 「動く」というのを重要視していたのが印象的。
ここから木田さんがお見えになりました。
  • OSXの開発チームにいる。
  • iPhone関係で、とても忙しい。昨夜も3時まで仕事を。
  • Appleに勤めてから20年。日本で10年、アメリカで10年。
  • アメリカ行きを決めた理由
  • ジョブズが帰ってくる前、アメリカと日本で双方向のディスカッションの後、仕様決定。
  • ジョブズが帰ってきた後、アメリカで仕様決定→日本。一方通行になった。
  • 日本側(木田さんチーム)に決定権がなくなった。
  • メンバーの人:「木田さんがアメリカ側に行けばいいじゃないですか?」
  • 木田さん:「そうだねぇ」
  • ということで、アメリカへ。
  • 元々、何度もアメリカチームとディスカッションをしたり、出張も何度もしていたので、引っ越す感覚で決定。
  • 物理的な引っ越しは大変だったけど、精神的には隣の町に引っ越す感覚。
  • 木田さん「いつかアメリカに来るなら早い方がいい。今、学生なのであれば、なおさら早く。アメリカで根を下ろしたいなら、こっちで修士か博士を取るといい。」
  • 社会人になってからアメリカに来ると、仕事関係の友達しか出来にくい。
  • アメリカで大学を出ていると,その時の同級生が友達になるし、その繋がりのメリットが大きい。
  • 就職すれば仕事関係のコネクションも出来るし、学生時代のコネクションもあるから、社会人がアメリカに飛んでくるより、コネクションが多い。この違いは割と大きい。
  • 人材を捜すときに、個人的なネットワークで探す場合が多い。第3者や紹介サービスよりも信頼度が高い。もともと知り合いなんだし。

木田さんのとある一日

  • お気に入りのべアフットコーヒーでメールやNewsチェック
  • BTSチェック(出社してからの作業イメージを湧かせる時間)
  • 出社。雑務。
  • ランチ
  • 14時〜18時エンジニアリング(コード書き)、ミーティングなど。

ちょっとボリュームが多くなってきたので、もう少し簡潔に書きます。眠たいけど頑張るぞー。

カンファレンスでの梅田さんの話

「自分の力と時代の力」というテーマでした。何かが出来た時、自分の力だけじゃなく時代の力が関係していることを意識(認識)する必要があるという、今までの自分にはない観点で新しい気付きを得ました。以下の3つを時代の力と呼んでいました。

  1. 世界経済の状況
  2. 日本の状況、日本全体の力
  3. 分野・産業の成熟度(産業の力)

今は時代の力が下がってきている、そのかわり自分の力を増幅する「道具」が上がってきている。例えば、インターネットやWebサービスなど。一昔前の人間には使えなかった(存在しなかった)道具が充実してきている。時代の力が下がっている分、それらを生かして自分の力を引き上げるべし。それが可能な時代になっている。

シリコンバレーは大きく二つの側面がある。

  1. テクノロジー(IT)
  2. 誰もやっていない(分野に依存しない)

中でも誰もやっていないというのは、かなり重要。そういうのが好きな人間が多い。

英語、グローバル化は進む。時代の力が下がっている時こそ自分に投資をするべし。例えば今学生なのであれば、かなり真剣に留学を考えるべき。アメリカの1番良い点は大学と研究機関。

Google訪問


社内は写真NGだったのでこれだけです。
廣島さんのおかげで実現したGooglePlex訪問に参加しました。参加者20人のツアー状態でGoogle社内を練り歩きながら、社員の方が各所を説明してくださったり、クイズがあったり、(うーん、これはGoogleっぽくて難しかったーけど面白かった)、その後、憧れのGoogleランチをしながら、廣島さんのアメリカにいらした頃の話から今のGoogleに入社するまでの貴重な経験談をお聞きさせて頂いて、Googleグッズの売店で買い物をして、終了でした。

クイズは、例えば、建物の中に明らかにドアからは入らないサイズの飛行機が天井から吊るしてあって、「これはどうやって建物の中に入れたでしょうか?」という問題。普通に考えると「バラバラにして、建物の中で組み立てる」なんて回答になるんだけど、それは間違い。正解はドアをぶっ壊して、そのまま搬入。

もうひとつ、Google社内は噂通り食べ物や飲み物が無料で、いたる所に棚があったりするのですが、有料のお菓子の自販機がありました。でも、この自販機は値段が市場価格ではなくて、安すぎるものや高すぎるものが売られているんです。「なぜでしょうか?」これも難しかったー。。。正解は、砂糖の量(カロリーだったかな?)。つまり、健康に気をつけようってジョーク的な表現。

ランチは、噂通り無料で、いろんなジャンルの食べ物が豊富にあって、バイキング形式だったので、てんこ盛りに。。。でも、やっぱりおいしかったぁ。

少し残念なのは技術的な話が聞けなかった事。でも、それは廣島さんも言われてましたが社外の人間に話せる事は少ないし、話せる内容でも他社では適用できなかったり、Googleにしか価値がないような事だったりするので、ということでした。

Google訪問といいつつ、ミーハー的なほぼ観光になってしまったのは否定できないけど、ランチの時に廣島さんとお話した時間は本当に勉強になりました。個人的な話が主だったので内容は書きませんが、大先輩のエンジニアが歩んできた道のりという貴重な経験談を、こんな僕らに話して頂けて本当に感謝しています。

IDEO訪問



社内は写真NGだったのでこれだけです。
IDEO訪問に参加しました。IDEOはデザイン会社なのでエンジニアの自分はあまり関係がなさそうですが、そもそもIDEOイノベーション(って書くと、またミーハーっぽいな。。。)に関する本などで非常に魅力的な会社だなぁと思っていたので参加させて頂きました。この訪問もツアー形式で、参加者が2グループに分かれて社内を練り歩きながら、IDEO社員の方が各所を説明してくださいました。

オフィスは、Google以上に遊び心いっぱいでカラフルな一角もあれば、カフェのようなオシャレな一角もあれば、天井が高くて広い部屋もあれば、という感じで、オフィス以外にプロトタイプや模型を作る工房や写真撮影用の部屋、食料品のクライアントもいるのでキッチンなどもありました。

働いている人達は、シリコンバレーで見た働いている人達の中で、一番凛々しく見えました。一番プロフェッショナルなんだというオーラも感じて、別次元の世界のような感じで、鳥肌が立ったのはIDEOだけでした。(比喩ではなくオフィスに入った瞬間に実際に鳥肌が立ちました。)一番、忙しそうに見えて(実際に忙しいんだと思います。)でも、エネルギーに溢れる感じで、かつ楽しそうに笑顔が多く、理想的なWorkerの姿を見ました。

さすが世界最強のデザイン・ファーム。すごかったです。自分がもしエンジニアではなくデザインの道を進んでいたら、どんな努力をしてでも入りたい会社だなぁと思いました。エンジニアの僕でさえ、この感動量だったので、他のデザイン系の参加者の方はどんな感想を持ったんだろう、人生変わるぐらいの感動量だと思うんだけどなぁ。

ちなみに、深澤直人 - WikipediaさんIDEOで働かれてたんですね!日本でIDEO東京オフィス設立って書いてあるし、知らなかった、偉大な方だぁ。。。

最後に

アメリカに行って得たもの。てか、ある人の言葉なんでアメリカ関係ないですけど。

Oracleの林さんの言葉。

生まれた国にこだわらず、好きな文化の中で生きればいいんじゃないですか。

たくさんのお話の中で、さらっと言われてたワンフレーズなのですが、聞いた瞬間びびっとなって、「あーそういう事なんだなぁ」と感慨深い心に残る言葉でした。シリコンバレー最高と言われてるカンファレンスの皆さんは、その「好きな文化」ってのをシリコンバレーで見つけたんだなぁと、なんだか感じてたもやもやがスッキリしました。

この言葉を聞いてから、シリコンバレー以外にも、てか仕事に関係なく、いろんな国や地域の「文化」に触れたいなぁと、そういう意味でいろんな海外に行ってみたいなぁという新しい方向性を見つけました。そうして惚れ込むような「文化」が見つかったら、そこで生きるための手段を考えて、行動して、自分も皆さんみたいに「好きな文化の中で生きる」自分になりたいなぁと思いました。

実は、この気付きが今回アメリカに行って得た一番大きなものです。ITに関係ないのに一番って(おい

でも、割と真面目に思ってます。